鶴の本返し

基本読書日記。たまに鶴の渡来地、鹿児島県出水市からの徒然日記。

27冊目。ぞくぞくぞく更新~傲慢と善良~

 読書の秋ということで、更新していますが。はい。予想通り、今後の更新は遅いでしょうね。どうなることやら。

 忙しくなるし。と思っているけど、それを理由にしたくないなといつも思っているけど、できてないです。

 

 さて、今回紹介するのは、

 『傲慢と善良』辻村深月 朝日新聞出版社

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 元カノが忘れられず、気づいたら40歳手前で独身の架。婚活をしてようやく気が合った真実と2年間付き合って、いざ結婚へ踏み出したときに、真実が忽然と姿を消す。直前にストーカーの話があったから、何かあったのか。一体、彼女はどこに行ったのか。

 

 30代独身で婚活している私にはぐさぐさ容赦なく言葉の鋭い針が刺さりました。

 でも、この容赦ない辻村さんの言葉が好きです。

 自分たちは気付いているけど、気づかないふりをしていることを、まっすぐ核心をついて言葉にして表現している。誰もが思うほんの些細な嫌なことだったり、嬉しいことだったりをすくって、言葉にしている。それを読むと、そういうことを思っているのは自分ひとりではなく、みんな一緒なんだなと少し安心することもあります。

 『かがみの孤城』はいじめ問題や不登校、『クローバーナイト』は子育てする大変さなど、いろいろな過程で誰もがちょっと思うことをきっと辻村さんは言葉にして、読者を針で刺したり、傷をいやしたりしてくれる。そういうストーリー展開もキャラクターのセリフも、本当上手い。 

 

 

 ちなみに、辻村さんは本の中で、婚活が上手くいく人をこう言っています。

「うまくいくのは、自分が欲しいものがちゃんとわかっている人です。自分の生活を今後どうしていきたいかが見えている人。ビジョンのある人」

 私、ビジョンないせいかと納得。確かに明確なビジョンがないままここにいる。

 

 ちなみに、現代婚活市場が上手くいかない人はこういう風に表現しています。

 「現代の日本は、目に見える身分差別はもうないですけど、一人一人が自分の価値観に重きを置きすぎていて、皆さん傲慢です。

 その一方で、善良に生きている人ほど、親の言いつけを守り、誰かに決めてもらうことが多すぎて、“自分がない”ということになってしまう。

 傲慢さと善良さが、矛盾なく同じ人の中に存在してしまう。不思議な時代なのだと思います。」

 この言葉にぐさりときました。傲慢。そう自分は傲慢なのかも。

 

 とりあえず、頑張りたいと思います。婚活を?いやいや、明確なビジョンをもつことをしっかりしていきたいと思います。

 

 それでは、みなさんごきげんよう