31冊目 春 ~ペッパーズ・ゴースト~
突然、春が来てしまって、体が上手く順応してない日々を送っています。
皆様、体調は崩されていないでしょうか。
鹿児島ですので、春と言っても夏に近い暑さで困っています。
唯一、朝だけは春のような少し寒さがあるから余計に厄介です。
昼と朝との温度差に、どのような服がいいのか、毎朝、大変です。
さて、今回紹介するのは、
ペッパーズ・ゴースト | 伊坂 幸太郎 | 日本の小説・文芸 | Kindleストア | Amazon
中学国語教師の檀。
代々受け継がれている特殊能力、ある条件下で他人の明日が見える。
その能力を隠しながら、生徒の自作の小説、奇妙な二人が活躍する物語を不気味に感じながら、生徒を傷つけないように感想を伝える平凡な中学教師の日々を過ごしていた。
ある日、一人の生徒の明日の未来を見てしまい、悲劇な明日にならないように、必死でその未来を変えることに成功する。
しかし、その生徒の父親に疑われてしまい、檀は次第に大きな事件へと巻き込まれてしまう。
伊坂幸太郎さんは、追いかけている作家さんの一人で、このブログでも良く紹介しています。
今回も伊坂幸太郎ワールドのエンターテインメントで、最初は関係ないようなことでも、物語が進むにあたり、どんどんすべてが巻き込まれていく展開が面白い。
今回は、ニーチェの言葉を引用して進む作品で、
ニーチェをあまり知らないで人でもニーチェを分かるようになる。私のように。
ニーチェの「永劫回帰」について、描かれているシーンが印象的でした。
どうにもならないことはどうにもならない。忘れるしかない。
父の言葉を思い出した。が、どうにもならない、と諦めてしまったら、
私は永遠に、あの罪の意識と無力感から解放されないのではないか。
どうにもならない、ではなく、どうにかしなければいけない。
逃げていいのか?
この人生を永遠に繰り返すとしたら。ニーチェの話を思い出した。
ここで逃げてしまった人生を、もう一度!と思えるだろうか。
檀先生よりも、ネコジゴハンターの二人面白すぎて、良いんですが、ここで話すとネタバレになりそうですので、ぜひ、読んでみてください。
そうそう、
春が二階から落ちてきた
という冒頭が印象的な作品。
『重力ピエロ』伊坂幸太郎さんの作品もおすすめです。
では、ごきげんよう。