16冊目。鶴がいなくなると、春がきます。~13・67~
どーも。
温かくなったと思えば、また寒くなりました。
関東では、また雪が降ったということでしたが、みなさま大丈夫でしょうか。
こちらは春に向けて、ツルがシベリアへと旅立っています。
もうマナヅルは飛び去り、ナベヅルしかいません。
3月のこの季節は別れの季節ということで、
さよならだけが人生だ~という詩を思い出しますが、私は寺山修司派なので、
さよならだけが人生ならば、そんな人生いりません。と。
この後のフレーズが私は結構好きなので、ぜひ調べてみてください。
さて、今回紹介する本は
『13・67』陳浩基 文藝春秋
https://www.amazon.co.jp/%EF%BC%91%EF%BC%93・%EF%BC%96%EF%BC%97-陳-浩基/dp/4163907157
華文ミステリー。
私がTwitterなどでミステリー作家をフォローしているのですが、すべての人が話題に出しては絶賛していたので、気になってはいたのですが、色々あって遅くなりましたが今ようやく読みました。
読めば絶賛するのがわかります。
面白い。
華文小説をあまり読んだことがなかったので、名前がとっつきにくく、また、香港の歴史にも疎かったので苦労しましたが、それを省いても、とても楽しめる作品。
香港警察であるクワンの人生を描いていて、彼の2013年から1967年の事件を描いている。彼の頭脳明晰による推理、その様々起こる事件の展開もそれぞれ異なった展開で予測ができないので、とても楽しい。
短編の事件を読み進めるとすぐにわかりますが、彼の人生を遡っていく構成になっており、それがまた絶妙にいい。
正義は、白と黒の間にある。
ぜひ、正義を、信念を描いた作品を読んでほしいです。
最近紹介する本がミステリーに偏りすぎなので、次は違うのを紹介しようと思いますが、ミステリー好きなのでどうなることやら。
季節の変わり目です。
風邪を引かないように、花見を楽しみましょう。
みさなん、ごきげんよう。
15冊目。鶴は今から帰ります。~新装版 頼子のために~
どーも。
お久しぶりです。
ようやく寒さがなくなってきたかなと思っていたら、
また寒くなってきました。
三寒四温だから、我慢して、春を待ちます。
梅の花が綺麗に咲き始めてきたので、好きな時期ではあります。
鹿児島県出水市の鶴はもうそろそろ帰っていきます。
帰るときは、空高く上がりくるくる旋回して、帰っていくのが印象的です。
ぜひ、空を見上げてください。
では、今回紹介する本は
法月綸太郎シリーズの作品。
作家名と出てくる探偵が同じ名前という
エラリークイーンと同じ設定で書かれているものです。
(本好きの友達にエラリー・クイーンの話をしたら、誰?と言われたことがあって、
ミステリー好きではない人だったので、知らない人は知らないということにショックを受けました。知らない人はグーグル先生に聞いてください。)
私はミステリーが好きなのですが、その中でも
新本格が好きで、以前紹介した綾辻さんをはじめ、法月さんもその新本格の一人。
あらすじは、頼子という女子高生が殺されて、その父親がその犯人に復讐をやり遂げ、自殺を図るという事件があり、その父親の自殺を図るまでの手記を読んだ法月綸太郎は不審な点を見つけ事件の真相を追求する。
簡単な構図のようで、複雑に絡み合い、と見せかけて、きれいにまとめられているという印象があります。最後読み終わったら、ぞくりとしてしまいました。
法月さんの作品は案外読んでいないので、これからは読んでいきたい。
ミステリーも多く出版しているので、読むのが追い付かなくて困っています。
もちろん、ミステリーばかりではなく、いろいろ読みたいです。
読書離れと騒がれていますが、それでも、本は様々に多種多様に出版されています。
それを全て読めないなんて本当に人生短すぎ。
そんな一生楽しめる趣味を持っているのは大切です。
あなたの趣味は何ですか?
これからは、人生100年になっているので、そういう趣味を大切にしてください。
風邪を引かないように。健康管理は大事です。
みなさん、ごきげんよう。
14冊目。鶴はワンサカ来ています。~十角館の殺人~
どーも。
突然寒くなってきて、この時期はいつも自分は
何を着て生活していたのか考えます。
皆様はどう過ごしているでしょうか。
さて、鹿児島出水市には、
毎年おなじみの鶴がやってきています。
ぞくぞくと、なぜかコウノトリの紛れてやってきているらしいです。
今年は鳥インフルエンザが流行らないといいのですが。
では、今回紹介する本は
https://www.amazon.co.jp/十角館の殺人-限定愛蔵版-綾辻-行人/dp/4062207710/ref=asap_bc?ie=UTF8
久しぶりの再読しても、この最後のセリフで
すべてがひっくり返るような衝撃は色褪せない。
すべてが計算つくされ、洗練され無駄のないストーリー展開。
私がミステリーにはまっていった原因はここにあります。
ちなみに今年は綾辻さんがデビュー30周年、新本格ミステリー30周年として
十角館の限定愛蔵版が出版されました。
この愛蔵版は、綾辻さんに影響を受けた作家さんたちのメッセージを集めた別冊を読むのも、もちろん楽しいですが、
素敵な表紙やカバー、中の良質な紙。
完璧に素晴らしい本であります!
ぜひ、こちらの限定愛蔵版をおすすめします!
ちょっと高いですが、買う価値があります。
最後に、私は館シリーズでは『時計館の殺人』が好きなんですよね。こちらもぜひ読んでみてください。
それでは風邪には気をつけてください。
みなさん、ごきげんよう。
13冊目。まだ鶴は来てません。~ホワイトラビット~
どーも。
お久しぶりです。もう10月中旬。
鹿児島出水は田んぼの稲刈りが始まりました。
柿が良く取れると、米も豊作と言われているので、
今年はお米がおいしいぞとわくわくしています。
あと私は昔、雷が良く落ちるとお米がおいしくなると
聞いたことがあるのですが(私だけ?笑)
今年は雷が結構ごろごろして落ちたりして、PCの調子が悪くなるぐらいだったので、
やっぱり今年の鹿児島出水の米はおいしいに違いないと期待しています。
皆さん買い時ですよ!笑
さて、今回紹介する本は
『ホワイトラビット』伊坂幸太郎 新潮社
再び伊坂幸太郎さんの作品。最近出版された作品です。
私の好きな初期の作風が戻ってきて、伊坂節のきいた楽しい会話劇も面白い作品になっています。
伊坂さんの作品でたびたび登場する、黒澤が、人質立てこもり事件、白兎事件という奇妙な事件に巻き込まれる話。時系列が少しずついじられ、事件の全貌が次第に明らかにされる時、思わず読者は叫ばずにはいられないはず。
会話劇で自分の気になるところには付箋をつけるのですが、
その中の一つを紹介。
「仕事ってのは」・・・「人の人生の大半を食い尽くす化け物みたいだな」
「仕事がないと、人生が続けられません」
「化け物のおかげで生きていられるわけか」
これだけ抜き取ると面白くないかもですが、不思議で心に残る会話劇を繰り出すのが上手いのが伊坂さん。
他にも最近、『AX』という作品を出版されまして、
凄腕の殺し屋の「兜」は、家では妻を全力でおだてる、恐妻家の話。
こちらもおすすめです。
では、最近、日中は暑いですが、朝晩冷えてきました。
体調管理には気を付けてください。
みなさん、ごきげんよう。
12冊目。夏が終わりに近づく。~バッタを倒しにアフリカへ~
どーも。
もう8月中旬。鹿児島出水は二毛作の田んぼは稲刈りが終わっているところがあります。
田は茶色と緑色で分かれているので面白いです。
田舎ならではの光景です。
最近は朝晩涼しくなりましたが、日中はギンギラギンですね。
仕事場と外の気温の違いにどうも体が追い付けず、夏バテ気味です。
毎年そんな感じです。
みなさまも体調管理にはご注意を。
さて、今回紹介する本は
『バッタを倒しにアフリカへ』前野ウルド浩太郎 光文社新書
幼少期はファーブル昆虫記を読みふけり、バッタに緑の服を食べられたという人に憧れ、夢を追いかけ続けた著者はとうとうバッタを研究するためにアフリカ・モーリタニアへ。語学もあまりできない状況で、バッタのためにアフリカまで行った。
バッタのために。バッタのためにだ。
語学もできずコミュニケーションがろくに出来ず、騙されたり、バッタがいなくて違う虫を研究したり、ハリネズミを飼ったり、サソリに噛まれたり。
私好みのクレージージャーニーだ。
面白すぎる。
しかも、バッタを愛しすぎたせいで、アレルギーになっている。
精神的には追いかけているのに、身体的には拒否しているところがまた面白すぎる。
面白いけど、その裏はもちろん著者の苦労が刻々と描かれている。
印象に残っているのは、著者を励ます研究所のババ所長の言葉。
いいか。コータロー。つらいときは自分よりも恵まれている人を見るな。みじめな思いをするだけだ。つらいときこそ自分より恵まれていない人を見て、自分がいかに恵まれているかに感謝するんだ。嫉妬は人を狂わす。お前は無収入になっても何も心配する必要はない。研究所は引き続きサポートするし、私は必ずお前が成功すると確信している。ただちょっと時間がかかっているだけだ。
好きなことをし続けるにはもちろん楽しいことばかりではないのだ。
その楽しくない時をどう過ごすのか。それは本当に大事な時。
著者の情熱に周囲も動かされているところが、とてもすてきだ。
これからも、前野さんに注目していくと私は決めた。
私は、なにか一つに特化しているとか、
好きだとかいうものがないので、
こういう人に本当に憧れる。
まだまだ模索中。人生迷い中。迷走中?
そういうことにしとこう。
では夏風邪に気を付けて。
11冊目。梅雨も終わり、ぎんぎら夏。~秘密の花園~
ども。
ぼうとしていたら、梅雨がいつの間に終わって、鹿児島の暑い夏がやってきた。
出水は鹿児島の北の方だけど、それでも暑い。
そうそう出水は今日花火大会でした。行きませんでしたけど。夏ですね。
この前、熱中症になってしまって、辛い思いをしたので、水を適度に取っています。
みなさまも水分補給は大事です。
私の腰痛はよくなっていたと思っていたら、また再び痛くなってきて、また今落ち着いてきたところです。まだ、足しびれていますが。
早く治れ。
さて、今回紹介する本は
『秘密の花園』フランシス・ホジソン・バーネット 新潮社文庫
小さい頃にみた秘密の花園の映画をまた見たいなと思って、その前に原作を読んでみたいと考えていた矢先に、新潮社文庫で新しく新訳が出版されていたので思わず買ってしまった。
メアリとコリンの成長物語。最初は何もできず、幼いのに世界を恨み、絶望していたが、自然に触れ合い、生きることの楽しさを知っていくメアリの姿がとても読んでいて和む。さらに、閉じ込められて過保護に育てられたひねくれもののコリンの心をもみほぐしていく姿が本当に生き生きと描かれている。
秘密の花園でのびやかの成長していく子供達の姿が自然と目に浮かんでくる作品です。
私のお気に入りのシーンは、季節が巡り、春が訪れたとき。
「こんなきれいなものは見たことないくらいよ!来たの!こないだの朝来たと思ったのは。まだ来る途中だったの。今度は本当に来たの!春が来た!」
このメアリの興奮の仕方といったら。現代で言ったら、誕生日プレゼントで欲しかったゲーム機をもらえた時の子供の反応。そしてその子供は集中してゲームをし出すからピクリとも動かなくなる。そんな味気ない興奮ではなく、メアリは走ってコリンに話に行く体いっぱいに興奮している様子が読んでいて気持ちがいい。
そして、春が来ただけでこんなに喜ぶ人はいるだろうか。草木花が生き生きとしてることに私は最近気づきもしていない。
こういう純粋な気持ちが大事だってことを 気づかせてくれる作品。
出水は夏は稲が青色絨毯を作っていて、風が吹けばなびく。
田舎の美しい風景が広がっている。
のんびりしたいときは、ぜひ出水へどうぞ。
では、ごきげんよう。
10冊目。春と思えば、突然の夏。~三四郎~
どーも。
春だと思っていたら、仕事も急に忙しくなって
いつの間に暑くなってきたので、半袖を出しはじめました。
1月下旬から腰痛と足のしびれに悩まされてきましたが、ようやくしびれがなくなってきました!
が、仕事が忙しくなってきて、残業残業でぬくぬく休めないのでなかなか治らないです。
さて、今回紹介する本は
以前、夏目漱石のゆかりの地にいたことがあり、それまでは教科書でしか読んだことがなかったのですが、
本を読まない友達が
「せっかくゆかりの地に住んでいるので読んでいます」
と言っていたのを聞いて、恥ずかしくなりいそいそ読んだことを覚えています。
と言っても、そんなには読んでいません。
覚えている限りで、高校の教科書に載っていた『こころ』
『三四郎』『それから』『門』『坊ちゃん』『草枕』
と、いくつかの『夢十夜』などの短編を読んだかなというぐらい。
『三四郎』『それから』『門』の三部作は
全部読んで、読み終わっての感想は『三四郎』が一番面白かったというもので。
主人公が自分の思ったどおりに生きているのだけど、どこか淋しくて暗くなっていくのがどうも読んでいて難しいけれど儚く、そして魅かれる。
主人公の三四郎と美禰子との距離感が結構好きで、若々しく元気よく成長しているのに、ただ、最後の最後で一歩を踏み出さず、すれ違ってしまう。
難ともいない切なさが残るのがいい。
それと有名な言葉に惹かれますね。
「迷える子(ストレイシープ」
私は今、転職を考えているのだけれど、
だからと言って、何がしたいといこともなく、
ただいまの仕事が嫌だということだけ。
口先だけで転職転職と言っているだけかもしれない。
転職したところで、また転職したいと言い出すかもしれないと
思うと一歩を踏み出せずにいて、
結局今の仕事をくそ真面目に
頑張っている日々を過ごしています。
でも、
誰もがきっと「ストレイシープ」。
だから、明日も頑張ろうと思う。
『トカトントン』という音が聞こえる前まで。ネ。
みなさん、無理はしないように。
それでは、ごきげんよう。